AppDirect

by Kanabo Consulting Inc. on January 20th, 2016

AppDirect

AppDirectとは?
2009年、サンフランシスコ市で設立。AppDirectではComcastをはじめStaples、Deutsche Telekom等を主要顧客に抱え、OEMによるクラウドSaaSサービスを提供している。同社のビジネスモデルは、iTunesが展開するアプリストアに類似したもので、様々なアプリやエンドユーザからの定期契約によって収益を上げている。同社における付加価値は、全ての課金およびディストリビューションを処理する点にある。Stingray Digital、iNovia Capital、Foundry Group、Peter Thiel氏の投資部門にあたるMithril Capital Managementより2億4500万ドルのベンチャー投資を受けた。

AppDirectの評価額とその理由

同社の評価額は2015年10月現在、10億4000万ドル に上ると報告されている。同社によると、定期契約者数は150カ国以上2000万人に達し、2014年の売上は1800万ドルであった。2015年10月におけるインタビューで同社CEOのDaniel Saks氏が前年比300%の収益増を見せていると公表。2015年の収益を5400万ドルと想定した場合、売上額はその19.25倍として算出される。インターネットソフト業界の上場企業における、いわゆる「revenue multiples」は平均で7倍と言われている。

強み
アプリの多様性:Box、Microsoft、Googleは然ることながら250件の主要アプリに対応。アプリの数が増加するにつれ、同様のサービス提供を目指す企業を排他できる可能性も高まる。
Peter Thiel氏:豊富な財務力と幅広い人脈がビジネスの発展に大きく貢献。
社風:AppDirectは、Glassdoorの社員アンケート結果に基づき、Business Insider誌が公表した「最も働き易いユニコーン企業」(Unicorn places to work)の上位10社の中に選ばれた。

弱み
経験の浅い経営陣:設立者らはいずれも若手で、過去における新興企業での経験が無い。将来、収益が10億ドルに到達することがあっても、それに伴った評価額は経営手腕や経験の豊富さなどで左右される。
プロプライエタリ技術ではない: 特許申請中の技術 を保有しているとされているが、サイト上のマーケットプレイスに使用する技術は非常に一般的なものであるため、他社からの模倣が危険視される。

ビジネス機会
国際規模: AppDirectにおける収益の半分は、既に海外市場から派生している事実から、国際規模の通信企業や大手のB2B企業は、潜在顧客として充分期待できる。同社では、最新ラウンドで調達した資金を海外事業所など国際市場への拡張に運用していく方針。
垂直市場を視野に入れたアプリ: 垂直市場や産業に特化したアプリ、サービスを追加することにより、事業拡張を図ることが可能。Deutsche Telekomをはじめとする産業特化型の提携先等は、こうしたアプローチに賛同するものと考慮される。
買収活動:AppDirectでは、自社サービスの向上を目指しこれまでに3社を買収。データの可視化サービスを提供するLeftronic、課金サービスのプロバイダとして知られるjBilling、アプリ管理サービスを専門とする新興企業Standing Cloudである。今後も市場での差別化を図るため、さらなる買収が予測される。

AppDirectにとっての脅威
Salesforce: Salesforce等のSaaS型ERP提供企業は、AppDirectと全く同じではないにしろ、自社の関連企業等との提携関係をうまく利用しながら、強力な競合となり得る。
競合他社: Jamcracker やParallels 等は10年以上も前から市場に参入しているプレイヤーである。また、AccentureをはじめHP、NEC、CapGeminiなど大企業向けのソフトウェアブローカーも有力な競合である。
App Directでは近年、日本支社 を開設したばかりだが、現在までのところ日本市場におけるパートナーシップを公表していない。
 


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