Kabbage

by Kanabo Consulting Inc. on February 10th, 2016

Kabbage

Kabbageの事業内容

2009年にアトランタ州で設立。零細企業を対象に、融資限度額が10万ドルの無担保ローンを主体としたオンライン融資サービスを展開している。同社の融資サービスは、100%オンラインで自動処理されるもの。企業では、オンラインで提出した申請書の内容に応じて、融資額の通知を受けると同時に即時、運用が可能になる。Kabbageでは、企業の収益、会計、事業取引、発送に関するデータに加え、ソーシャルメディアや他の情報源に基づいて融資を行う。Reverence Capital Partners、オランダのING、スペインのBanco Santander、カナダのScotiabank等から総額2億4000万ドルのベンチャー投資を受けた。
 
Kabbageの評価額とその理由

2015年10月時点での評価額は100億ドル に到達。同社によると、サービス提供開始以来、現在まで10万件以上の企業を対象に総額100億ドルの融資を行ってきた。『Forbes Magazine』が発表した「Top 100 Most Promising Companies 2014 & 2015」の上位100社に選ばれたことからも、その実績が伺える。Forbesでは、2014年における収益は4100万ドルで、過去3年間における平均成長率は100%に上ると報告している。これと同じような成長が見られれば、2015年の収益は8200万ドル近くになることが予測される。言い換えると、同社の評価額はその12倍に当たることになる。ちなみに、金融サービス業界における上場企業のrevenue multiples は2.5倍が平均である。
 
強み

完全なオンライン化:融資手続きに関する申請書の提出を100%ネット上で処理できるソフトウェアを開発。同システムにおける最大の強みは、AmazonをはじめPayPal、Quickbooksなどクラウドを利用した多様なEコマースサービスとの統合能力にある。完全な自動化により、従来型の融資サービス企業に比べ、比較的少ない人員で対応することができる。また、手続きが迅速に処理されるため、多忙な企業経営者にとっては非常に魅力的である。

アルゴリズム:同社アプリに迅速にアクセスし、数分間で融資の承認が受けれるようプロプライエタリなアルゴリズムを開発。同アルゴリズムの効果は金融業界で評価されており、自社の融資事業においてローン申請の評価にKabbageのプラットフォームをライセンス契約する企業が増えている。

社風:Glassdoorの調査結果を基に 『Business Insider』が発表した「働き易いユニコーン企業」では上位18位にランキングされている。
 
弱み

保有技術:先に「強み」として評価した保有技術であるが、それと同時に弱みもある。同社のアルゴリズムは、申請者側が変更した条件に応じて融資手続きが処理されるため、継続的に調整していく必要がある。完全自動化にはそれなりの利点があるものの、一方で人間の介在が少ないため、不正な申請手続きが行われる危険性も懸念される。
 
ビジネス機会

事業拡張: 2014年9月、別のブランドとして「Karrot personal loans」を発表した後、2015年5月には「Kabbage Card」の提供を開始した。同カードは企業が融資を受けているKabbage口座に連携されており、店舗等での決済に使用することができる。今後、消費者金融サービスの幅広い領域に事業を拡張していく能力がある。

海外市場への進出: 現在、同社では米国および英国に焦点を当てているが、2015年3月にはオーストラリア企業のKikka Capitalとの提携関係を発表。Kikka Capitalでは、アジア太平洋地域を対象にKabbageのOEM版を展開していく方針。これを足掛かりにして、他の海外市場への進出を図っていくことが期待される。

市場の拡大:Morgan Stanleyの調査結果によると、オンライン融資サービスを利用した融資額は2014年で140億ドルに上り、その額はここ数年間で急速に増加している。
 
Kabbageにとっての脅威

規制:周知の通り、金融業界に対しては非常に厳しい規制が敷かれているが、オンラインの金融サービス提供業者に関しては、現在までのところ政府による規制が緩い。だが、今後はこの様相が変化するものと予想されている。20015年12月、California Department of Business Oversight(カリフォルニア州内における証券および融資事業を規制する州政府機関)では14社のオンライン融資サービス企業 に対しそれぞれの出資者、融資に関する方針、事業モデル等に関する詳細情報の提供を求めたが、Kabbageもその一社に含まれていた。同機関の調査結果によると、カリフォルニア州サンバーナディノ市で14人の被害者を出したISIS関連の銃撃事件発生の2週間前、夫婦で犯行を行ったSyed FarookとTashfeen Malikに対しオンライン融資サービス提供業者のProsperが2万8,500ドルの融資を承認していた事実が判明した。これを受け、2015年7月、米国財務省でも成長傾向にあるオンライン融資サービス産業の調査を開始する方針を発表した。

競合: オンライン融資サービス産業では既に競争が激化しており、その中でもKabbageの地位は低い。Kabbageにおける最大の競合は上場企業のOnDeck Capital、財務力では右に出るもののないPayPal、企業向けに運転資金を提供する銀行等である。

日本企業に対するアドバイス:Kabbageは現在までのところ日本市場に関する事業計画を公表していないが、Softbank CapitalがシリーズDの投資ラウンドで出資を行っている。


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