Credit Karma
by Kanabo Consulting Inc. on March 2nd, 2016

Credit Karma
Credit Karmaの事業内容
サンフランシスコで2007年に設立。Credit Karmaでは、信用情報機関からのTransUnionやEquifaxなど 信用評価数値(クレジットスコア:債務者に対しての与信可否や限度額を決定するため、財務面の信用性を数値化する方法)およびクレジットレポートの情報を週単位で更新する。TransUnionが報告するクレジットの監視サービスも日刊で提供する他、利用者の信用評価に応じて今後、効率的な財務戦略を提案する各種ツールも展開している。利用者側では、住宅ローンやクレジットカード、保険など各自に適切な金融サービスを特定することができる。Ribbit Capital、Google Capital、Tiger Global Management、Susquehanna Growth Equityをはじめ他の投資機関からの出資も合わせ3億6800万ドルを調達。
Credit Karmaの評価額とその理由
2015年4月における会員数は3500万人を超え、同年6月の時点では35億ドルの評価を受けた。同社では、いずれのサービスも無償で提供しているが、金融関連商品を主体とする広告費から収益を上げている。収益に関する詳細情報は公表されていないが、設立者のKenneth Lin氏は、 2014年のインタビューの中で売り上げが2億ドルを超えたと述べている。この数字を基にすると、同社におけるSale multiple(企業価値÷売上の意味)はおよそにして17に達する。ちなみに上場の金融サービス企業におけるrevenue multiples (先のSale multipleと同義)は2.5程度である。
強み
透視性: Credit Karmaでは、顧客の信用に関する情報および評価数値は個人に帰属するものであり、無償で利用すべきとの事業方針を持っている。同社サービスの急成長ぶりは、この方針に賛同する国民の数を反映したものである。Credit Karmaでは、消費者における信用評価数値に関する知識を明確化すると同時に、将来の財務管理において認識すべきポイントを提案している。
アルゴリズム:先に述べた通り、Credit Karmaのビジネスモデルは金融商品をターゲットにした広告収入が基盤となっている。同社のアルゴリズムはこれに焦点を絞り、新規のクレジットカード申請や住宅ローンに対する問い合わせ、申し込み等に繋げる効果的なものである。
前向きな社風:Glassdoorの調査結果を基に 『Business Insider』が発表した「働き易いユニコーン企業」では上位11位にランキングされている。
弱み
サーバーセキュリティ:財務情報を取り扱う同社のセキュリティ対策は、堅固かつ正当であるべきである。2014年8月、Federal Trade Commission(FTC:米連邦取引委員会)は被申立人であるCredit Karmaに対する責任を明示した、最終和解命令について承認を下した。同社に対しては、SSL認証を有効化せず、暗号化SSL通信の便益を低減させたことや、iOSやアンドロイドの開発者向けガイドライン等プラットフォームから発行されるセキュリティガイドラインに準拠していなかったことが指摘されていた。自社アプリにおける適切な試験、監査、評価が欠損していた結果、サービスプロバイダにおいても適確なセキュリティ管理ができなかったことが問題視された。
米国市場へのフォーカス:クレジットスコアの制度は、各国によって異なる。Credit Karmaが利用する現行のアルゴリズムと手法は、他国の市場向けに自動的に転換できるものではない。
ビジネス機会
事業拡張:Credit Karmaは、財務戦略の判断に役立つワンストップの検索エンジンを提供することにより、将来は「金融サービス産業におけるKayak」のような位置付けを目指している。 その他の金融関連商品の展開を通じた事業拡張も考慮される。
市場の拡大:近年IBISWorldが発表した調査結果によると、米国の一般消費者を対象としたクレジットスコアの評価サービス機関は、2009年から2014年の5年間にかけ年間5%の売り上げ増を見せており、市場規模は110億ドルに上る。
同社にとっての脅威
競合:消費者は既に国内最大手のクレジットレポート企業(Equifax、Experian、TransUnion)が共同運営するサイト annualcreditreport.com経由で、各自のクレジットレポートにアクセスすることができる。同サイトは、Fair and Accurate Credit Transactions Act(FACTA法:公正かつ正確な信用取引のための法律)に準拠し、米国内の消費者に対し各年3回までのクレジットレポートを無償提供するメカニズムとして構築された。Credit Karmaは、この他MintやCredit Sesameなど財務面に関してアドバイスを行う企業とも競合関係にある。
日本企業に対するコメント:Credit Karmaは現在のところ、ほぼ完全に国内市場に焦点を当てた事業展開を行っている。
Credit Karmaの事業内容
サンフランシスコで2007年に設立。Credit Karmaでは、信用情報機関からのTransUnionやEquifaxなど 信用評価数値(クレジットスコア:債務者に対しての与信可否や限度額を決定するため、財務面の信用性を数値化する方法)およびクレジットレポートの情報を週単位で更新する。TransUnionが報告するクレジットの監視サービスも日刊で提供する他、利用者の信用評価に応じて今後、効率的な財務戦略を提案する各種ツールも展開している。利用者側では、住宅ローンやクレジットカード、保険など各自に適切な金融サービスを特定することができる。Ribbit Capital、Google Capital、Tiger Global Management、Susquehanna Growth Equityをはじめ他の投資機関からの出資も合わせ3億6800万ドルを調達。
Credit Karmaの評価額とその理由
2015年4月における会員数は3500万人を超え、同年6月の時点では35億ドルの評価を受けた。同社では、いずれのサービスも無償で提供しているが、金融関連商品を主体とする広告費から収益を上げている。収益に関する詳細情報は公表されていないが、設立者のKenneth Lin氏は、 2014年のインタビューの中で売り上げが2億ドルを超えたと述べている。この数字を基にすると、同社におけるSale multiple(企業価値÷売上の意味)はおよそにして17に達する。ちなみに上場の金融サービス企業におけるrevenue multiples (先のSale multipleと同義)は2.5程度である。
強み
透視性: Credit Karmaでは、顧客の信用に関する情報および評価数値は個人に帰属するものであり、無償で利用すべきとの事業方針を持っている。同社サービスの急成長ぶりは、この方針に賛同する国民の数を反映したものである。Credit Karmaでは、消費者における信用評価数値に関する知識を明確化すると同時に、将来の財務管理において認識すべきポイントを提案している。
アルゴリズム:先に述べた通り、Credit Karmaのビジネスモデルは金融商品をターゲットにした広告収入が基盤となっている。同社のアルゴリズムはこれに焦点を絞り、新規のクレジットカード申請や住宅ローンに対する問い合わせ、申し込み等に繋げる効果的なものである。
前向きな社風:Glassdoorの調査結果を基に 『Business Insider』が発表した「働き易いユニコーン企業」では上位11位にランキングされている。
弱み
サーバーセキュリティ:財務情報を取り扱う同社のセキュリティ対策は、堅固かつ正当であるべきである。2014年8月、Federal Trade Commission(FTC:米連邦取引委員会)は被申立人であるCredit Karmaに対する責任を明示した、最終和解命令について承認を下した。同社に対しては、SSL認証を有効化せず、暗号化SSL通信の便益を低減させたことや、iOSやアンドロイドの開発者向けガイドライン等プラットフォームから発行されるセキュリティガイドラインに準拠していなかったことが指摘されていた。自社アプリにおける適切な試験、監査、評価が欠損していた結果、サービスプロバイダにおいても適確なセキュリティ管理ができなかったことが問題視された。
米国市場へのフォーカス:クレジットスコアの制度は、各国によって異なる。Credit Karmaが利用する現行のアルゴリズムと手法は、他国の市場向けに自動的に転換できるものではない。
ビジネス機会
事業拡張:Credit Karmaは、財務戦略の判断に役立つワンストップの検索エンジンを提供することにより、将来は「金融サービス産業におけるKayak」のような位置付けを目指している。 その他の金融関連商品の展開を通じた事業拡張も考慮される。
市場の拡大:近年IBISWorldが発表した調査結果によると、米国の一般消費者を対象としたクレジットスコアの評価サービス機関は、2009年から2014年の5年間にかけ年間5%の売り上げ増を見せており、市場規模は110億ドルに上る。
同社にとっての脅威
競合:消費者は既に国内最大手のクレジットレポート企業(Equifax、Experian、TransUnion)が共同運営するサイト annualcreditreport.com経由で、各自のクレジットレポートにアクセスすることができる。同サイトは、Fair and Accurate Credit Transactions Act(FACTA法:公正かつ正確な信用取引のための法律)に準拠し、米国内の消費者に対し各年3回までのクレジットレポートを無償提供するメカニズムとして構築された。Credit Karmaは、この他MintやCredit Sesameなど財務面に関してアドバイスを行う企業とも競合関係にある。
日本企業に対するコメント:Credit Karmaは現在のところ、ほぼ完全に国内市場に焦点を当てた事業展開を行っている。
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