by Kanabo Consulting Inc. on July 19th, 2017

Robinhood

Robinhoodの事業概要

2012年、カリフォルニア州パロアルト市で設立されたRobinhoodは、ネット株取引のプラットフォームである。他社とは、フリートレードと携帯機器に限定したインターフェースの2点で差別化を図っている。フリーミアムのビジネスモデルを採用し、200万人以上の登録者を抱える。また、ゴールド会員に対しては、自身がアカウントに所有する額の倍額を貸し付ける他、 通常は3日間かかる振り込み手続きも待たずに完了させたり、株取引を即実行するサービスも提供。このゴールド会員費は小規模のアカウントの場合月額6ドルから15ドル、他者への貸付額が最大限5万ドルの規模になると月額200ドルが課金される。

現時点での評価額とその背景

2017年4月現在の評価額は13億ドルとされている。DST Globalがリードした最近の投資ラウンドでは既存のNEA、Index Ventures、Ribbit Capitalも参加して1億1000万ドルを調達。総額にして1億7600万ドルの資金を確保したことになる。同社に対するこの評価額は、急速な成長ぶりが主な背景となっている。それを示唆するのは、2016年10月に100万人であった登録者数が一年足らずで倍増した事実である。同社によると、月間にして約14万人が新規登録しており、この数値は、ライバル企業のE*TRADEが2016年の一年間で獲得した登録者数を超えるものである。現在のところ収益に関する報告は公表されていないが、調査会社のApptopiaではiOSにおけるアクティブユーザ数は、月間17万5,000人に上るものと予測している。Robinhoodユーザの半数がゴールド会員であると想定した場合、月間平均10ドル50セントの使用料で換算すると年間売上はおよそ1200万ドルに上る。同社のSales Multiple(企業価値÷売上の意味)は108と算出される。参考までに株取引業界におけるrevenue multiples (Sales Multipleと同義)の平均数値は僅か2.58である。

強み

革新性:株取引業界はその誕生以来、コミッションに基づいて成立しているものである。同社では、フリートレードを提供する他、月間会員費や委託証拠金の預託から収益を上げる等のビジネスモデルにより、定型的な業界の様相を揺るがしている。その観点で言うと、UberやAirBndと同等の斬新性が見られる。

経営陣の経歴: 設立者らは若年であるが、いずれもウォール街における株取引業界で幅広い経験を重ねた人物である。また、同社への投資機関や出資者らもウォール街に精通している。

弱み

携帯機器への依存:携帯機器ユーザに特化したサービスであるため、モバイル環境における機能とスケールに限定した状態にある。株取引に介在する人々の間では、従来通り幅広いリサーチに対応するよう、ウェブを利用したインターフェースや電話による顧客サービスを好む傾向があるが、Robinhoodではこれらに対応していない。

プロプライエタリではない:同社のビジネスモデルそのものは革新的であるが、プロプライエタリな技術ではない。ネット株取引サービスを提供する企業では、いずれもモバイルアプリに対応している。

ビジネス機会

他の金融サービス: FidelityやVanguardがフルサービスを提供する金融企業へと成長を遂げた様に、Robinhoodも同様の経路を経て規模の拡大を図ることが見込まれる。

グローバライゼーション:ネット株取引は国際規模の産業である。完全なデジタル化とモバイル戦略を少数の社員で実現できることから、規制に遵守できる限り世界のどの国でもサービス展開が可能になる。 

同社に対する競合

競争企業: 株取引サービスを展開する企業では、さらに安価な費用や無償で提供することが可能である。例えば、業界大手のFidelity等ではコミッションを7ドル95セントから4ドル95セントに引き下げている。

規制: 株取引を取り巻く規制・法律は常に変化するものであるため、同社ではそれに応じたサービス提供を行っていく必要がある。

日本企業へのコメント:現在のところ同サービスは日本で展開されていない。日本にも事業所を抱えていない。


by Kanabo Consulting Inc. on April 11th, 2017

WeWork

WeWorkの事業概要


2010年設立のWeWork(本社:ニューヨーク)では、世界各国においてオフィススペースを提供している。起業家や遠隔ワーカー等が事業を行う際に必要なスペースを貸し出しており、現在、世界23都市において4万人以上の登録会員を抱える。同社では、長期のリース契約を通じて安価にオフィススペースの賃貸を行うことで収益を上げている。限られた面積でも十分足りる、あるいは暫時的な賃貸を求める起業家に対しこれらのオフィススペースを高額で又貸ししている。

現時点での評価額とその背景

2017年3月現在の評価額は170億ドルとされている。最新の投資ラウンドでSoftbank Groupから調達した3億ドルを含め、総額にして37億ドルの資金を集めている。同社の成功には、起業家や新興企業は然ることながら、手頃な価格で柔軟にスペースを賃貸したり、コミュニティやネットワークの拡大を視野に入れた大手企業や、ヘルスケア、支払い処理等の各種サービス提供企業での高い需要が背景となっている。 同社のCEOによると 、2017年の売上は10億ドルに達するものと見込まれており、同社のSales Multiple(企業価値÷売上の意味)は17と算出される。参考までに不動産業界におけるrevenue multiples (Sales Multipleと同義)の平均数値は6であり、共有のオフィススペース賃貸に特化した他の上場企業(Regus PLC等)に比べても、遥かに高い数値である。

強み

大きな変革: WeWorkはUberやAirbnb等と並び、シェアリングエコノミーにおいて主導的立場にある。同社のビジネスモデルでは、零細企業や個人の起業家に対しオフィススペースを大幅に低い料金で賃貸すると同時に、相互におけるコミュニケーションの場を創造する点にメリットがある。

先駆的な取り組み:共有可能なオフィススペースの賃貸サービスは、これまで多数の企業が提供してきたが、WeWorkは当初から海外市場への展開へ積極的に働きかけたことで他社との明確な差別化を出してきた。

弱み

新興企業や起業家への依存: 大都市において新興企業がベンチャー投資を受ける限り、これらに対してWeWorkが価値提案を維持できる。しかしながら、経済低迷や新興企業の資金が枯渇する状態に置かれた場合は、既存会員の維持、延いては新規会員の開拓に影響が出てくる。
非プロプライエタリ:WeWorkのブランド性は高いものの、ビジネスモデル自体は簡単に模倣することができる。

ビジネス機会

WeLive:近年「 WeLive」と呼ばれる新サービスを提供開始した。共有オフィススペースの概念を住宅に適用させたもので、これをきっかけにマンションの賃貸市場にも変革がもたらせる可能性がある。
グローバライゼーション:世界の大都市はWeWorkにおける潜在市場として期待されている。

同社に対する競合

競争企業: 資金力を備えた上場企業の Regusを主体に、海外市場への拡大に力を入れているWorkbar等の新興企業とも競争関係にある。

日本企業へのコメント: WeWorkは現時点では日本にオフィススペースを展開していないが、 出資をしているSoftbankが支援する可能性がある。


by Kanabo Consulting Inc. on January 16th, 2017

OpenDoor

OpenDoorの事業概要

サンフランシスコを本拠に2014年に設立。OpenDoor では、住宅販売の手続きを数日間で完了させるオンラインサービスを提供している。住宅売却者が希望する価格に見合う金額を提示し、その物件を購入した後、再販する仕組みを採用。同社サービスのビジネスモデルでは、一般の不動産とほぼ同じようにコミッション(6%)の他、物件売買に関連した様々なリスクを考慮した評価した上で、合計にして平均8%の手数料から収入を上げている。同社では、不動産の監視官に勧められた修理箇所の工事を行い、消費者に見栄えのする状態にして物件売却を行っている。

現時点での評価額とその背景

2016年11月現在の評価額は11億ドルとされている。設立から2年と若い企業でありながら、同社のビジネスプランを評価する投資家らから総額3億2000万ドルの出資を受けた。現在はダラスのフォートワースおよびフェニックスでサービスを提供しているが、2017年には国内10都市で展開を目標にしている。設立以来、同社サービスでの取引住宅件数は4,213件に上る。 同社の報告によると 、一世帯当たり1万ドル~1万5千ドルの利益を上げている。この数字に基づき年間3千件の取引を想定した場合、3000万~4500万ドルの売上が予測される。したがって、同社のSales Multiple(企業価値÷売上の意味)は24~36の間と算出される。参考までに不動産企業におけるrevenue multiples(先のSales Multipleの同義)は、平均にして6とされている。

強み

業界にもたらした大きな変革: オンラインで全過程を処理するOpenDoorの誕生は、従来の不動産業界におけるブローカーのビジネスモデルを一変させたほどであった。可能な限り高額での物件売却を希望する消費者が年々増える中、その傾向を適確に捉えたサービス展開が注目を集めたと言える。

経営チームの手腕: Square並びにPayPalでいずれも設立当初に経営陣として参画したベンチャーキャピタリストのKeith Rabois氏が、Eric Wu氏(CEO:スタートアップ企業を不動産ポータルのTrulia Inc.に売却)をはじめエンジェル投資家であるMax Levchin氏、YelpのCEOであるJeremy Stoppelman氏と共同で起ち上げた企業である。

弱み

非常に高い市場リスク:同社が成功を収めるためには、取引がすべてウェブ上で行われるという特性から、物件を現地で検証せずに適確な価格を算出し、コストを最小限に抑えるためにできる限り短期間で売却する必要がある。同社の報告によると、過去6カ月間において30件の物件が未売却の状態にある。こうしたケースが重なれば、平均の売上高に影響が出ることになる。

ビジネス機会

全国展開: 先に述べた通り、同社サービスは現在、ダラスおよびフェニックスの地域に限り試験的に提供されているにも関わらず、既に何千件もの物件取引を実現させている。この状況からすると、将来における全国主要都市でのサービス展開にも順調な伸びが期待できる。

同社に対する競合

利子率:同社サービスは、利子率の上昇や物件価格の低下など市場リスクが高まれば、当然のことながら手数料の引き上げ等によって超釣りを合わせていく必要が出てくる。

競合:Zillowなど従来型のブローカーと直接的な競合にあるが、今後もその傾向が強まると予測される。

日本企業へのコメント:OpenDoorは現在のところ完全に国内での事業展開に力を入れている。



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