by Kanabo Consulting Inc. on January 16th, 2017

OpenDoor

OpenDoorの事業概要

サンフランシスコを本拠に2014年に設立。OpenDoor では、住宅販売の手続きを数日間で完了させるオンラインサービスを提供している。住宅売却者が希望する価格に見合う金額を提示し、その物件を購入した後、再販する仕組みを採用。同社サービスのビジネスモデルでは、一般の不動産とほぼ同じようにコミッション(6%)の他、物件売買に関連した様々なリスクを考慮した評価した上で、合計にして平均8%の手数料から収入を上げている。同社では、不動産の監視官に勧められた修理箇所の工事を行い、消費者に見栄えのする状態にして物件売却を行っている。

現時点での評価額とその背景

2016年11月現在の評価額は11億ドルとされている。設立から2年と若い企業でありながら、同社のビジネスプランを評価する投資家らから総額3億2000万ドルの出資を受けた。現在はダラスのフォートワースおよびフェニックスでサービスを提供しているが、2017年には国内10都市で展開を目標にしている。設立以来、同社サービスでの取引住宅件数は4,213件に上る。 同社の報告によると 、一世帯当たり1万ドル~1万5千ドルの利益を上げている。この数字に基づき年間3千件の取引を想定した場合、3000万~4500万ドルの売上が予測される。したがって、同社のSales Multiple(企業価値÷売上の意味)は24~36の間と算出される。参考までに不動産企業におけるrevenue multiples(先のSales Multipleの同義)は、平均にして6とされている。

強み

業界にもたらした大きな変革: オンラインで全過程を処理するOpenDoorの誕生は、従来の不動産業界におけるブローカーのビジネスモデルを一変させたほどであった。可能な限り高額での物件売却を希望する消費者が年々増える中、その傾向を適確に捉えたサービス展開が注目を集めたと言える。

経営チームの手腕: Square並びにPayPalでいずれも設立当初に経営陣として参画したベンチャーキャピタリストのKeith Rabois氏が、Eric Wu氏(CEO:スタートアップ企業を不動産ポータルのTrulia Inc.に売却)をはじめエンジェル投資家であるMax Levchin氏、YelpのCEOであるJeremy Stoppelman氏と共同で起ち上げた企業である。

弱み

非常に高い市場リスク:同社が成功を収めるためには、取引がすべてウェブ上で行われるという特性から、物件を現地で検証せずに適確な価格を算出し、コストを最小限に抑えるためにできる限り短期間で売却する必要がある。同社の報告によると、過去6カ月間において30件の物件が未売却の状態にある。こうしたケースが重なれば、平均の売上高に影響が出ることになる。

ビジネス機会

全国展開: 先に述べた通り、同社サービスは現在、ダラスおよびフェニックスの地域に限り試験的に提供されているにも関わらず、既に何千件もの物件取引を実現させている。この状況からすると、将来における全国主要都市でのサービス展開にも順調な伸びが期待できる。

同社に対する競合

利子率:同社サービスは、利子率の上昇や物件価格の低下など市場リスクが高まれば、当然のことながら手数料の引き上げ等によって超釣りを合わせていく必要が出てくる。

競合:Zillowなど従来型のブローカーと直接的な競合にあるが、今後もその傾向が強まると予測される。

日本企業へのコメント:OpenDoorは現在のところ完全に国内での事業展開に力を入れている。


by Kanabo Consulting Inc. on November 2nd, 2016

Zuora

Zuoraの事業概要


カリフォルニア州フォスターシティ市で2007年に設立。サブスクリプション型の事業形態を持つ企業を対象に、収益向上と業務最適化を目的としたSaaSアプリの開発・販売を行っている。プライスパッケージを特定し、見積書の発行、販売および契約書類の管理、売上計上、請求金額の算出、請求書の発行、クレジットカード決済連携、入金および回収管理、会計締め処理、分析・レポートを主体に多様な機能を持つ。同社製品は世界規模でクラウドサービス、通信、メディア、ヘルスケア等の産業に展開されている。

現時点での評価額とその背景

2015年3月現在の評価額は11億2000万ドルとされている。ユニコーン企業の中ではそれほど知名度は高くないが、DellやBox、Qualcommを筆頭に多数の大企業で導入実績を上げている。IPOに向けて準備段階にあるといった噂もあり、様々な投資家から2億4300ドルの財務支援を受けている。Wall Street Journal紙の記事(2015年3月掲載)では、同社CEOのTien Tzuo氏が1億ドルの収益を見込んでいると言及。これに基づくと同社のSales Multiple(企業価値÷売上の意味)は約10と算出される。ちなみに、当該市場における上場企業に関しては、このrevenue multiples(先のSales Multipleの同義)が平均で5とされている。

強み

使い易さと統合性:Zuora製品では、企業の提供する製品・サービスの性質にかかわらず、サブスクリプション型のビジネスに必要なものを一括して提供することができる。導入企業では、請求処理や回収管理、会計処理などを簡単に追跡できる上、Salesforceやクラウドを利用した他の会計ソリューションと既に統合されている点にもメリットを見出している。

経営チームの手腕:Salesforce.comが設立後11番目に雇用したTien Tzuo氏が起ち上げた。Salesforce.comを軌道に乗せた人物の一人で、クラウドソフト業界では主要なイノベーターとしても知られる。同氏は、クラウドへの転換は一回性の支払いからオンラインサブスクリプションに移行するといった決済方法の変化に繋がるとの見解を持っている。

弱み

依存性:Zuora製品は、現在注目を集めているクラウドとサブスクリプションに対するトレンドに依存している。いずれかに変化が起きた場合、それに応じて迅速に対応していく必要がある。

ビジネス機会

データ分析: 同社が買収した企業は現在のところFrontleaf社のみであるが、今後、買収先を増やしていくことで、顧客企業がサブスクリプション事業を円滑に管理すると同時に、その仕組みを十二分に理解し、最適化を図れる環境を整えることができる。

同社に対する競合

ERPプレイヤー:
OracleやSAP等の大手企業は十分な資金と顧客ベースを抱え、様々なサブスクリプション管理サービスを展開している。これらの企業が市場参入をした場合は、即時に大きな競合となる。

新興企業:
Zuoraがサービス提供を開始して間もなく、AriaをはじめRecurly、Chargify、Spreedlyなど多数の新興企業が市場に参入し始めた。

日本企業へのコメント:Zuoraは日本支社を開設しており、当該市場で積極的な事業展開を行っている


by Kanabo Consulting Inc. on August 24th, 2016

Okta

Oktaの事業概要

2009年、カリフォルニア州サンフランシスコ市内で設立。Oktaは、ログイン処理の安全性確保と統合化に特化した新興企業である。クラウドを利用したSSO(シングルサインオン:一回のユーザ認証で異なるシステムやアプリに一括してアクセスできるシステム)の導入企業では、既存のディレクトリ、IDシステム、4000件を超える多様なアプリと直接連結させることができる。同社ではOktaは統合型のプラットフォーム上で動作するため、企業側では安価なコストで大規模なサービスを迅速に提供できると説明している。Andreessen HorowitzをはじめGreylock Partners、Sequoia Capitalなど複数のVC機関より総額2億300万ドルの資金調達を行った。

現時点での評価額とその背景

2015年9月現在、同社に対する評価額は12億ドル に上る。同社サービスにおけるSSO機能 はクラウドを利用した各種サービスと共に、フォーチュン500社での導入件数が飛躍的に増加したことを受け大きな成長を見せた。OktaではSSOにおける利便性と安全性を確保すると同時に、簡素な統合機能でも大企業を魅了している。現在、Adobe、Allergan、Chiquita、LinkedIn、Western Union等の主要顧客をはじめ導入件数は数千社を数える。同社によると2016年6月現在、管理下にあるマシーンの台数は340万台とされている。また、CIO誌に紹介された記事(2015年6月)では、2015年における売上は1億ドルと予測されており、これに基づくと同社のSales Multiple(企業価値÷売上の意味)は約12と算出される。ちなみに、インターネット業界における上場企業に関しては、このrevenue multiples(先のSales Multipleの同義)が平均で7とされている。

強み

簡易な統合機能:Salesforce、Zendesk、ServiceNow、Google Apps等に代表される人気の高いアプリでは、その大半がアプリへの直接的なプロビジョニング(およびデプロビジョニング)を実現させるため、アプリAPIをコンフィギュレーションに採り入れている。近年の新しい統合機能は極めて操作が簡単で、各自のカタログからコンフィギュレーションを選択したり、SSO URLやアプリ側に2段階程度のコンフィギュレーションステップを入力するだけで完了するものである。

経営チーム:SalesforceでVP of Engineeringを務めていたTodd McKinnon氏が設立。クラウドサービスのベンダ企業を経営していたBen Horowitz氏は、McKinnon氏について「クラウドアプリの構築に関しては、彼の右に出る人物はいないだろう。私自身の経験上、McKinnon氏はこれまでに一緒に仕事をしたエンジニアの中でも、経営手腕をも備えた最も鋭敏なパートナーである」と言及している。

弱み

クラウドの安全性に対する意見:クラウドを利用したサービスの安全性対する意見は賛否両論であり、現在もクラウドを利用するか、オンプレミスのソフトを導入するべきかの議論は頻繁に耳にするものであり、Oktaの技術は、業界や利用側の判断に左右される可能性がある。

ビジネス機会

世界市場への拡大:
現時点では国内市場に焦点を当てているが、欧州およびアジア市場への進出により、将来は大幅な売上上昇が期待される。

同社に対する競合

Microsoft :  同社では、過去にMicrosoftの最も人気の高いアプリとの提携により、Microsoftの市場占有率に影響を与えようと試みた。こうした動きは、同社に限ったものではないが、多数の企業では、クラウドユーザおよびアクセス管理に関してMicrosoftに依存しているのが現状である。

多数存在する競合Oktaの競合とされる新興企業にはCentrify、Ping Indentity、OneLogin、  Symplified、iWelcome、SecureAuth、Telekomなど多数ある。

日本企業へのコメント:オーストラリアに開設したオフィスでは、アジア太平洋地域を対象としたサービス展開を行っているが、日本支社はまだ存在しない。




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