by Kanabo Consulting Inc. on October 3rd, 2017

Symphony Communication Services (シンフォニー)
 
■技術の分野:メッセージング
■ステータス:未公開企業
■設立年:2014年
■社員数:101~250名(2017年9月現在:LinkedIn調べ)
■所在地:1117 S California Avenue Palo Alto, CA 94304
■URL:http://www.symphony.com
 
■主な経営陣
David Gurle氏(設立者およびCEO)、Mike Harmon氏(CTO)、Kim Tran氏(
Chief IT, People & Ops Officer, IPOPS)、Eran Barak氏(COO)、Jonathan Christensen氏(CPO)、Thomas Kiessling氏(EVP of Product & Engineering)、Lawrence Miller氏(CSO)等。
 
■最近の資金調達状況
2017年5月に完了したVC投資ラウンドでは、仏銀行BNP ParibasのリードでGoogle、Lakestar、Natixis、Societe Generale、UBS、Merus Capital等の同社株主の他、世界最大規模の投資銀行や資産管理企業14社(Bank of America、BlackRock、Citibank、Deutsche Bank、Goldman Sachs、HSBC、JP Morgan等)も参加した結果、6300万ドルを調達。これを機にBNP Paribasが同社取締役会に席を置くこととなった。現時点での調達総額は1億2,900万ドルとされており、同社に対する評価額は10億ドルに達している。
 
■事業および技術概要
Symphonyの誕生は、同社へ出資する複数の銀行がBloomberg(金融機関向けのメッセージ機能、株価やニュースに対応した端末の開発企業)を打倒すべく共同でメッセージングサービス企業Perzoを買収したことがきっかけとなった。銀行等の金融機関では、Bloomberg端末が取り扱う情報に価値を見出すことができず、結果的にはWhatsAppなど無料のメッセージングサービスを利用する必要に迫られていた。Symphonyはこうした金融機関に焦点を絞り、メッセージ機能を主体に音声・ビデオ通話の他、Slackアプリと同じ様に利用者側でサードパーティーアプリを追加することで機能拡張ができる仕組みも備えている。同社サービスの特長は:①スマホにも対応した携帯性の高さ、②Bloomberg端末の使用料が一台当たり年間2万5000ドルに上るのに対し、Symphonyは無料プランの他、プレミアムであってもユーザ当たり月額15ドル(年間180ドル)で提供、③社外とのコミュニケーションを目的とした利用者をターゲットとしているが、それに対応したセキュリティと規制を遵守している点にある。
 
■他社との差別化および今後の展望
上述の通り、機能面ではSlackとの類似性が高い。MicrosoftやFacebook等の大手企業では多様な分野においてSlack等の企業と競争に出ているのに対し、Symphonyでは金融業界に注力し、これらのニーズを明確に把握した上でメリットをもたらすための機能性を全面に打ち出している。社外とのコミュニケーションにおけるセキュリティを保証する点は、特に金融機関にとって大きな魅力となっている。長期的には、金融業界での成功を経て他の産業でもサービスを拡大していく方針も聞かれる。先ずはヘルスケア業界に参入し、政府や教育、科学の領域へと拡大していくことが見込まれる。


by Kanabo Consulting Inc. on July 19th, 2017

Robinhood

Robinhoodの事業概要

2012年、カリフォルニア州パロアルト市で設立されたRobinhoodは、ネット株取引のプラットフォームである。他社とは、フリートレードと携帯機器に限定したインターフェースの2点で差別化を図っている。フリーミアムのビジネスモデルを採用し、200万人以上の登録者を抱える。また、ゴールド会員に対しては、自身がアカウントに所有する額の倍額を貸し付ける他、 通常は3日間かかる振り込み手続きも待たずに完了させたり、株取引を即実行するサービスも提供。このゴールド会員費は小規模のアカウントの場合月額6ドルから15ドル、他者への貸付額が最大限5万ドルの規模になると月額200ドルが課金される。

現時点での評価額とその背景

2017年4月現在の評価額は13億ドルとされている。DST Globalがリードした最近の投資ラウンドでは既存のNEA、Index Ventures、Ribbit Capitalも参加して1億1000万ドルを調達。総額にして1億7600万ドルの資金を確保したことになる。同社に対するこの評価額は、急速な成長ぶりが主な背景となっている。それを示唆するのは、2016年10月に100万人であった登録者数が一年足らずで倍増した事実である。同社によると、月間にして約14万人が新規登録しており、この数値は、ライバル企業のE*TRADEが2016年の一年間で獲得した登録者数を超えるものである。現在のところ収益に関する報告は公表されていないが、調査会社のApptopiaではiOSにおけるアクティブユーザ数は、月間17万5,000人に上るものと予測している。Robinhoodユーザの半数がゴールド会員であると想定した場合、月間平均10ドル50セントの使用料で換算すると年間売上はおよそ1200万ドルに上る。同社のSales Multiple(企業価値÷売上の意味)は108と算出される。参考までに株取引業界におけるrevenue multiples (Sales Multipleと同義)の平均数値は僅か2.58である。

強み

革新性:株取引業界はその誕生以来、コミッションに基づいて成立しているものである。同社では、フリートレードを提供する他、月間会員費や委託証拠金の預託から収益を上げる等のビジネスモデルにより、定型的な業界の様相を揺るがしている。その観点で言うと、UberやAirBndと同等の斬新性が見られる。

経営陣の経歴: 設立者らは若年であるが、いずれもウォール街における株取引業界で幅広い経験を重ねた人物である。また、同社への投資機関や出資者らもウォール街に精通している。

弱み

携帯機器への依存:携帯機器ユーザに特化したサービスであるため、モバイル環境における機能とスケールに限定した状態にある。株取引に介在する人々の間では、従来通り幅広いリサーチに対応するよう、ウェブを利用したインターフェースや電話による顧客サービスを好む傾向があるが、Robinhoodではこれらに対応していない。

プロプライエタリではない:同社のビジネスモデルそのものは革新的であるが、プロプライエタリな技術ではない。ネット株取引サービスを提供する企業では、いずれもモバイルアプリに対応している。

ビジネス機会

他の金融サービス: FidelityやVanguardがフルサービスを提供する金融企業へと成長を遂げた様に、Robinhoodも同様の経路を経て規模の拡大を図ることが見込まれる。

グローバライゼーション:ネット株取引は国際規模の産業である。完全なデジタル化とモバイル戦略を少数の社員で実現できることから、規制に遵守できる限り世界のどの国でもサービス展開が可能になる。 

同社に対する競合

競争企業: 株取引サービスを展開する企業では、さらに安価な費用や無償で提供することが可能である。例えば、業界大手のFidelity等ではコミッションを7ドル95セントから4ドル95セントに引き下げている。

規制: 株取引を取り巻く規制・法律は常に変化するものであるため、同社ではそれに応じたサービス提供を行っていく必要がある。

日本企業へのコメント:現在のところ同サービスは日本で展開されていない。日本にも事業所を抱えていない。


by Kanabo Consulting Inc. on April 11th, 2017

WeWork

WeWorkの事業概要


2010年設立のWeWork(本社:ニューヨーク)では、世界各国においてオフィススペースを提供している。起業家や遠隔ワーカー等が事業を行う際に必要なスペースを貸し出しており、現在、世界23都市において4万人以上の登録会員を抱える。同社では、長期のリース契約を通じて安価にオフィススペースの賃貸を行うことで収益を上げている。限られた面積でも十分足りる、あるいは暫時的な賃貸を求める起業家に対しこれらのオフィススペースを高額で又貸ししている。

現時点での評価額とその背景

2017年3月現在の評価額は170億ドルとされている。最新の投資ラウンドでSoftbank Groupから調達した3億ドルを含め、総額にして37億ドルの資金を集めている。同社の成功には、起業家や新興企業は然ることながら、手頃な価格で柔軟にスペースを賃貸したり、コミュニティやネットワークの拡大を視野に入れた大手企業や、ヘルスケア、支払い処理等の各種サービス提供企業での高い需要が背景となっている。 同社のCEOによると 、2017年の売上は10億ドルに達するものと見込まれており、同社のSales Multiple(企業価値÷売上の意味)は17と算出される。参考までに不動産業界におけるrevenue multiples (Sales Multipleと同義)の平均数値は6であり、共有のオフィススペース賃貸に特化した他の上場企業(Regus PLC等)に比べても、遥かに高い数値である。

強み

大きな変革: WeWorkはUberやAirbnb等と並び、シェアリングエコノミーにおいて主導的立場にある。同社のビジネスモデルでは、零細企業や個人の起業家に対しオフィススペースを大幅に低い料金で賃貸すると同時に、相互におけるコミュニケーションの場を創造する点にメリットがある。

先駆的な取り組み:共有可能なオフィススペースの賃貸サービスは、これまで多数の企業が提供してきたが、WeWorkは当初から海外市場への展開へ積極的に働きかけたことで他社との明確な差別化を出してきた。

弱み

新興企業や起業家への依存: 大都市において新興企業がベンチャー投資を受ける限り、これらに対してWeWorkが価値提案を維持できる。しかしながら、経済低迷や新興企業の資金が枯渇する状態に置かれた場合は、既存会員の維持、延いては新規会員の開拓に影響が出てくる。
非プロプライエタリ:WeWorkのブランド性は高いものの、ビジネスモデル自体は簡単に模倣することができる。

ビジネス機会

WeLive:近年「 WeLive」と呼ばれる新サービスを提供開始した。共有オフィススペースの概念を住宅に適用させたもので、これをきっかけにマンションの賃貸市場にも変革がもたらせる可能性がある。
グローバライゼーション:世界の大都市はWeWorkにおける潜在市場として期待されている。

同社に対する競合

競争企業: 資金力を備えた上場企業の Regusを主体に、海外市場への拡大に力を入れているWorkbar等の新興企業とも競争関係にある。

日本企業へのコメント: WeWorkは現時点では日本にオフィススペースを展開していないが、 出資をしているSoftbankが支援する可能性がある。



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